【講座開催日】 平成29年6月8日・15日・22日(各木曜日)

   6月8、15、22日3日間にわたり開催された。
講師は宮沢賢治研究家:赤田秀子氏。受講者39名、出席者は延103名であった。



                          


第1回目「宮沢賢治」の生涯と作品から~「花巻共立病院の花壇設計」~ 第2回目「銀河鉄道の夜」~植物で読み解く宮沢賢治~ 第3回目「どんぐりと山猫」~絵本で読み解く宮沢賢治~。

1、2回目は植物と賢治をメインの切り口にして、赤田先生が自ら育て、撮られた写真を豊富に使い、人間「賢治」の魅力を存分に語って頂いた。貧しい時代に病院の患者さんを喜ばそうと依頼された「花巻共立病院」の花壇設計を行い、珍しい植物を外国から取り寄せて植えた賢治の熱意と植物への造詣深さに感嘆した。
また、カラスウリやプラタナスをランターンと表現する賢治独特の世界は、東北の暗さを灯りでほのぼのと照らしたかった賢治の想い、創造力の豊かさ、賢治でなければ湧き出てこない比喩に感激をした。


   


3回目は「どんぐりと山猫」の童話を題材にして、多くのアーチストがそれぞれイメージを膨らませて絵本にした中から12人の作家の絵とイメージの紹介、時々の時代要請によって描かれる賢治の様々な可能性の世界を実際の絵本や貴重なレプリカ等で披露して頂いた。この時代に言葉も行動も先取りしていた為、当時の賢治は世の中に受け入れられず、理解者はあまりいなかったが、子どものこころにスッと入っていく新しい言葉を創り、ハッとするような比喩を用いて物語を創った。



    


その賢治の想いは、「弱い立場の人たちを大切にする、憐れみではなく、同じ人として」であった。今でもアーチストを挑発する賢治の世界、独自性を十分に講義して頂き、先生が読まれた作品を聴きながら、受講者は何とも言えない温かな余韻に浸った。質疑応答では、受講者から核心をつくいい質問も出され、赤田先生から熱のこもった回答を頂いた。アンケートでは「感動、感嘆した」「ますます賢治が好きになった」等の感想と賢治の講座を再度やって欲しいとの声が多く寄せられた。                           (林 令子)



        

あだち区民大学塾 講座開催報告

生誕120年 輝き続ける 宮沢賢治の世界

好評のうちに終了しました

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