【講座開催日】平成29年8月20日(日)14時~16時
【開催場所】生涯学習センター講堂              
 


   足立区立郷土博物館 浮世絵展「美人画名品選」との協創企画として、8月20日(日)14時~16時に生涯学習センター講堂において開催された。応募者は110名、受講者97名。
講師はお江戸ル・ほーりーこと堀口茉純氏と博物館専門員の畑江麻里氏の両氏。


                 

   堀口茉純氏からは「浮世絵で知る美人画の魅力」と題して、菱川師宣から奥村正信・鈴木春信・鳥居清長・喜多川歌麿・渓斎英泉・歌川国貞に至る、浮世絵美人画の絵師とその作品が時代を追って紹介された。又、風景画家の印象の強い北斎や広重も美人画を描いていることも紹介された。浮世絵は男性社会であった江戸で誕生したので、当初は吉原の美人画が多かったが、やがて庶民がモデルとなり、役者絵や風景画に拡がっていった。技術的には肉筆画から始まり、黒の一色摺りの版画になり、やがて見当をつけることで多色刷りが実現し、大首絵では毛髪などの細かい表現に対応した彫の技術が進歩し、女性の容姿は八頭身から六頭身へとより写実的な表現に変化し、幕府の規制がかかるとその都度対応してゆくなど、時代に即した浮世絵の作者達の技術的な進歩と工夫が紹介された。明治に入り写真や油絵の影響で浮世絵はすたれてゆくが、逆に海外での浮世絵の評価は上がり、ゴッホもその影響を受けている様子が紹介された。


   

   次に畑江麻里氏から足立区立郷土博物館で開催中の浮世絵展 「美人画名品選―春信・歌麿から芳年・周延まで-」(7/29~9/18)の見どころが紹介された。当博物館は松方コレクション413点を核にして浮世絵の収蔵は1,300点に及びその内今回は89点の美人画が展示されている。第一章 錦絵美人画のはじまり‐鈴木春信という流行‐、第二章 美人画の交流‐喜多川歌麿とその影響‐、第三章 主流になる歌川派美人‐初代豊国から国貞・国芳‐、第四章 明治の美人画‐月岡芳年と楊洲周延‐の4つの時代区分で作品が紹介された。今回、受講者には足立区郷土博物館の招待券が配布されたが、この講演会を機に博物館をもっと身近に感じて頂き、浮世絵の本物をご覧ください。


                              

   受講者アンケートは58名。「浮世絵を通して江戸を知るという意味でも、絵師の説明もわかりやすく、予想以上によかったです。」「ほーりーの講義はいつ聞いても楽しいです。畑江さんの声は聞きやすく、説明もよかったです。」「浮世絵の見方が変わりました。ぜひ郷土博物館に行ってみたいです。」など、参加して頂いた方々からは満足の声と共に好評価が得られました。
 今回の特別講演会は足立区の推進する協創の趣旨に沿って、足立区・足立区教育委員会・足立区郷土博物館・生涯学習センター・楽学の会の五者共催が初めて実現した。関係各位のご協力に感謝するとともに、今後も郷土博物館等との協創企画に期待したい。                                                                                 (糸井史郎)



        

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

あだち区民大学塾特別講演会       浮世絵で知る「美人画」の魅力

好評のうちに終了しました

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