【講座開催日】 2017年11月2日・9日・16日

   11月2・9・16(各木曜日)午後2時~4時 応募者34名、受講者32名、延べ73名での講座でした。講師は、元商社(三菱商事株式会社勤務)現在、東京理科大学非常勤講師 岡本 徹氏が務めてくださいました。各回の講義では、様々な文化やものの見方・考え方に関する豊富な資料を用意されてお話しされました。


                               

第1回目は、「常識」とは~日本と外国の常識の違い~の講義でした。
 鶏の鳴き声は? 日本では常識と思われているが日本以外では通用しない諺(一を聞いて十を知る等々)などを導入に、①常識とは何か、②日本と外国での常識の違い(どちらが良くてどちらが悪いという判断は危険)③日本と外国の常識の違い(察しの文化・謙譲の美徳・おもてなし・時刻度通りに運行)④日本では常識だが外国では??、⑤海外では常識的な行動や一般知識でも日本では??、⑥常識の判断は論理的に学習可能か?、⑦なぜ常識の違いを認識する必要があるか。
 以上の項目を中心にお話しされましたが、第1回目ということもあり、目からうろこ的なことが多く勉強になりました。“ツマラヌものでお口に合うかどうか分かりませんが・・お口汚しで・・”という謙譲的表現は、“どうしてそんなにおいしくないものを頂かなければならないのか”と受け取られる等々。

 第2回目は、外国人が驚く「常識・非常識」~外国人が驚く日本の文化~の講義でした。
 最初に、日本の常識の中で殆んどすべての外国人が驚く「常識・非常識」を掘り下げる事例から始まりました。①世界一「おもてなし」の国、②世界一「安全」な国、③「グループ行動」を基本とする国、④世界一「完璧」を求める国、⑤「謙譲の美徳」の倫理観の国、⑥「察しの文化」で人間関係が進む国という項目からの常識・非常識論でした。
 そして、外国人が驚く日本人の習慣(常識?)、海外では(一般的に)非常識と捉えられる「日本の常識」とは、と講義は展開されました。 出る杭は打たれる、能ある鷹は爪を隠すなど、謙虚が美徳の日本の文化は殆んどの国では「無知」「非常識」「子供と同じ」と受け取られる。和を以て貴しとなす姿勢は、会議などでは集中砲火を浴びるなどなど、知って学ぶべきことが多くありました。

 第3回目は、「郷に入っては郷に従え」~グローバル社会で世界と共生する日本~の講義でした。
 本講座のまとめも含めて①「ローマではローマ人たちがするようにせよ」②グローバル社会における「異(多)文化との共生」③日本におけるグローバル化の経緯と背景④「世界についていく日本」から「世界と共生する日本へ」⑤世界と共生のための若干の具体的な考察、の五本柱で話されました。
 基本的に思考過程や価値観が違うのは当然であるのでお互いに良い点と悪い点を学び、自分たちの成長の一手段と受け止めることがグローバル化の第一歩ではないかというまとめは、胸にすとんと落ちました。


                           

                          

最後に本講座の結論として、グローバル社会で世界と共生するためには、単に語学力を高め、世界の人々と話せるようになるだけでは不十分です。その国、その地域の習慣や倫理観を(経済や法律といった社会的仕組みだけでなく)理解し、お互いに相手(の考え方や常識や行動様式)受け入れることが基本ではないかと思います、と結ばれました。
                                                                                                               (佐々木善光)

        

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

元商社マンから学ぶ「日本の常識・世界の常識」

好評のうちに終了しました

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