【講座開催日】 平成29年12月1日・7日

12月1日(金)、7日(木)2日間の講座は応募者57名、受講者49名、延べ90名でした。予定より大勢の応募者があったため、1回目は生涯学習センターの協力を得て、5階研修室から4階講堂へ変更して応募者全員の受講を可能としました。
                               

 1回目の講座は仏師・渡邉宗雲の修行と創作活動で父・渡邉崇雲の後を継ぐために修業に明け暮れた話がありました。東京造形大学の先生の元へ通い、卒業後足立区の仏師で高村光雲の流れをくむ真海徳太郎先生との出会い、浅草の仏師西村房蔵先生への師事など、教えを乞いに積極的に活動されました。
手板の地紋彫刻を半年間も根気よく彫った話、レリーフのハイビスカスと桃は高村光雲門下の決められた習作であるなど、裏の話も聞かせていただきました。

 仏像彫刻は崇拝の対象としてあるので、作者の個性は感じられないようにしているといいます。また、仏像は一木づくりと寄木づくりがありますが、仏像の根則があり、立像は10分割、座像は5分割になっているそうです。粘土で原形を作り、粗彫りから内刳り(ひび割れ防ぎ)、仕上げ彫りまで仏像によっては何年もかかって彫刻されているとのことでした。
講堂に講師の創作された大日如来像、仏像4体、修業時代の習作手板、仏像習作、木の見本、さまざまな彫刻刀、紹介本などがたくさん展示されました。特に大きな大日如来像は迫力があり、受講者はすぐそばで前から後ろから眺めて、一様に感心されておりました。

                           

2回目は東京国立博物館の仏像解説と東洋館ガイドツアー『仏像の旅』(現地学習)で、前半は現地の仏像を見ながら講師に仏像の名称、作者、時代など一体ごとに詳細な説明があり、受講者は説明を聞きながら奈良、平安、鎌倉時代の仏像に見入っていました。後半は東洋館でボランティアガイドによる専門的な説明があり、インド、タイ、中国等の石像に圧倒されました。

受講者からは講師のおだやかな語り口と作品からおごりのない真摯な姿がすばらしい。仏像のしくみや制作過程がよくわかり、初めて知ることばかりで興味深かった。彫刻の技術のすごさに感嘆した。作品を身近に見せて頂き仏像の高貴な姿に思わず合掌したなどでした。
新しい分野でしたが足立区内で活躍される仏師の講座は、受講者にとても好評でシリーズ化してほしいという要望もありました。
                                                    (林 令子)


        

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

足立の仏師・渡邉宗雲の創作と東博の仏像解説  開催報告

好評のうちに終了しました

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