【講座開催日】平成30年6月5・12・19日       

6月5・12・19日 (各火曜日) 午後2時~4時(第3回は午後1時~2時半)に開催された。応募者は20名、受講者は第1回20名、第2回18名、第3回17名、延べ55名であった。講師はタカラ湯店主であだち銭湯文化普及会の松本康一氏。

                              

第1回は「昭和初期からの銭湯の変遷~銭湯の歴史、役割、そして文化~」と題して、800年程前からの寺社の禊(みそぎ)など、日本は古くから水を浴びる習慣があり、入浴の習慣は江戸の町づくりの中で土埃や汗を落とす必要からお風呂屋が普及し、江戸時代には600軒・明治には1200軒の銭湯ができたといわれ、東京における銭湯の発達の様子が紹介された。

第2回は「銭湯建築の特徴~宮作り、タイル、カラン、格天井、番台、坪庭、浴槽、煙突、背景画~」と題して、銭湯建築や設備の特徴が写真を示しながら説明された。最後に店主の先代の父親が書き残した昭和19年から20年の日記が紹介され、戦時下における水や燃料の不足による困難な中で、数々の工夫を凝らして営業を継続された状況や、B29の空襲を受けて営業不能になったが10日たらずで再開したことなどが紹介された。


                          

第3回は「タカラ湯における現地学習・入浴体験~防災協力井戸、煙突屋、釜屋、穴蔵屋等~」と題して、タカラ湯の各施設や仕事の状況を実際に見学して、前2回の講義内容を実際に目にすることができ、大いに興味を引いた。
現在は都市ガスが燃料となっており、従来主な燃料であった解体業者から提供された廃材置き場のがらんとした広いスペースが印象的であった。希望者は開店前の入浴体験もサービスされた。講師は大学の先生のような流暢な講義ではないが、幼い時から銭湯に育ち、現在も様々な困難を乗り越えて銭湯経営を継続している実践者で説得力があった。

                          

参加者のアンケートには次のような意見が寄せられた。
「銭湯の歴史、建築の特徴、最終回は現地学習と充実したプログラムであった。」「足立区の誇る銭湯という文化は、もっと学び&楽しみ&盛り上げる価値のあるものだと思います。」「子供の頃入っていたが、近くの銭湯がなくなったので、興味があったので参加しました。」など、懐かしい思い出で参加された方が多かった。最終日の2日前には大阪で大きな地震があり、銭湯の利用者が増えたとの話もあり、今後とも文化的な側面と災害時などの公衆衛生的な銭湯の意義について考えさせられる講座であった。
                                                                                                       (糸井史郎)



        

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

千住のタカラ湯店主が語る「銭湯の変遷」

講座開催報告

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