【講座開催日】 平成30年6月7・14・21日

6月7・14・21(各木曜日)午後2時~4時 応募者32名、受講者29名、延べ79名での講座でした。講師は、日本文藝家協 会々員・元主婦の友社 遠藤周作番記者・「遠藤ボランティアグループ」代表の原山建郎氏が務めてくださいました。各回 の講義では、遠藤周作執筆の本をたくさん持参されて回覧しながらお話されました。遠藤周作の番記者であったからこそ語れる事、番記者でなければ見聞きできなかった事を織り交ぜながらの遠藤周作ワールドは、充実した時間で流れました。

                              

第1回目は、狐狸庵先生の「おどけ」と「哀しみ」~ぐうたら人間学 狐狸庵閑話・おバカさん~と題しての講義でした。 前半は、「おどけ」←含羞(はにかみ)、遊びごころ、芝居っけ、創作的自虐というタイトルでのお話でした。「こりゃあ 、あかんわ」「狐狸庵センセイの悪戯(いたずら)」などのキーワードで様々な本からの引用文を基にありありと語ってい ただきました。会場には笑いや驚き、意外などの声が漏れていました。後半は、「哀しみ」←クロ(心の友)、両親の離婚、哀しみに寄り添うキリストというタイトルでのお話でした。「おもろうて、やがて悲しき」「人々の苦しみや哀しみに寄り添う存在」 などのキーワードで引用文を基にした解説でしたが、講師の脚色が随所に入りあれよあれよという間に遠藤周作の世界に引き込まれていました。

第2回目は、永遠のマリア観音、終生の伴走者~最愛の母・郁、遠藤順子著『夫の宿題』~と題しての講義でした。序章は、「遠藤周作物語」その出生から帰天までー73年の人生―と題し、幕開けから第5章(最終章)に分けて話されました。壮絶な人生に言葉が出ませんでした。そして前半の「母があなたを信じましたので」永遠のマリア観音・郁(最愛の母)というお話は、「おふくろにも兄貴にも逢った」 「主よ、母があなたを信じましたので」というキーワードで解説されました。臨終の時のストーリーは胸が詰まりました。後半の『夫の宿題』、「夫婦は人生の同伴者」、終生の伴走者・順子夫人というお話は、」「もういい加減にお父さんを許してあげたら・・」「必ず蓮座をあけて待ち居り候」等のキーワードで、数冊の引用文を基に解説されました。


                          

第3回目は、遠藤周作の病、心あたたかな医療~病院はチャペルである。遠藤周作の祈り~と題しての講義でした。前半は、遠藤さんが提唱した「心あたたかな医療」、友ちゃんのガンというタイトルで、「年明けに帰ってきた友ちゃん、余命1ヶ月のガン」「讀賣新聞に連載エッセイ“患者からのささやかな願い”」「結成36年を迎えた、遠藤ボランティアグループ」などのキーワードで話されました。遠藤さんがマスコミに“あたたかな医療を!”と提唱して大きな影響を与えたことを知り、感動しました。

                                   

後半は、東大病院「入院案内」が変わった、病いを生きた遠藤周作の祈りという内容を「患者のプロ・遠藤さんが『入院案内』に注文を付けた」「全国の大学病院で『入院案内』の項目タイトル(目次)が変わった」などのキーワードで種々の本を基に解説されました。遠藤さんが「入院案内」の表現に注文を付けたからこそ、今の私たちは安心して入院生活を送ることができていることを知りました。

 受講者は“小説家の番記者をなさった方のお話を拝聴するのは初めての貴重な経験でした。遠藤周作の人となりを、また編集者という職業も垣間見ることができ作品への理解も深まると思いました。改めて読み返してみたいと思います。”などの声を寄せて下さいました。大変感動的で貴重な学びの講座でした。(佐々木善光)



        

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

「狐狸庵先生」遠藤周作ワールドを愉しむ

講座開催報告

好評のうちに終了しました

講座チラシもご覧下さい←クリック

撮影現場↑