【講座開催日】平成30年8月30日9月6日13日(各木曜日)

浮世絵師歌川広重は今年没後160年を迎え、お墓のある足立区伊興の東岳寺では命日の9月6日に法要と「一日だけの広重展」が開催され、あわせて郷土博物館では浮世絵展「没後160年 広重目線」が開催されるの機会に本講座を開催した。

第1回は生涯学習センター研修室1で講義、第2回は伊興の東岳寺で広重忌(法要・墓参・一日だけの広重展)と伊興寺町散策、第3回は足立区立郷土博物館で開催した。 応募者76名。 抽選により57名に受講券が発行された。 受講者数は46名で、第1回46名、第2回42名、第3回39名、延べ127名であった。


          

第1回は「没後160年 足立の広重、世界のHIROSHIGE」と題して、国際浮世絵学会常任理事の稲垣進一氏が講演、広重の風景画は自然的で人の心を包み込む情感至上であること、また東海道五十三次の絵の特色を解説頂いた。天ぼかし、空間に広がりと奥行き、透明感を持たせる、画面の中央付近を切る斜線が視覚のバランス感覚を刺激する、視点を中空にもっていく鳥瞰等浮世絵を解説頂いた。また広重の墓が足立区にありこの文化遺産を多くの方に知って頂き「広重ゆかりの足立区」を発信し、足立区の広重を文化を作ろうとのコメント頂きました。また講師所有の浮世絵を持参頂き、受講者が手を触れて鑑賞する機会があり受講者は感心していました。

                              

第2回は東岳寺で広重忌(法要・墓参・一日だけの広重展)と伊興寺町散策を実施。東岳寺に集合し、「一日だけの広重展」の浮世絵を鑑賞し、広重の墓参、庭園鑑賞を行った後 本堂で160年法要に出席し出席者全員お参りし線香をあげた。
その後 伊興の寺町散策を実施した。ガイドは足立史談会の薊 照夫氏が勤め、白旗塚史跡公園、法受寺、東陽寺、易行院、伊興遺跡公園を散策した。伊興は古墳時代の遺跡があり多くの出土品があり歴史は古いが、関東大震災後浅草等から寺が移設され寺町として発展してきた。蒸し暑い日でしたが全員元気に散策しました。

              

第3回は郷土博物館にて「没後160年 広重目線」の見所を学芸員の荻原さんより解説頂き、博物館収蔵浮浮世絵を鑑賞した。「名所江戸百景」を構図で読み解くべく、広重は西洋の遠近法を取り入れながら特定のモチーフを前面に大きく描くなど新しい手法を打ち出し、鳥瞰、誇張、省略などで表現した風景画となっている。どアップの力、センターの存在、超上から目線、のぞきみの楽しさに分類し解説パネルがありよく理解できた。
浮世絵スタンプ多色刷りの体験を行い、浮世絵がいくつもの版木で刷ることを体験し皆さんは楽しんでいました。

          

受講者からは① 東岳寺の行事、伊興町散策、郷土博物館鑑賞といろいろ変化があり、具体的に学習できて楽しみました ②広重の様々なことがわかりとても参考になった、現地学習の寺町散策は楽しかったですが疲れました。③広重と足立のつながりを認識できた。広重が身近に感じました。など好意的意見が多かった。

今回は歌川広重の没後160年の機会に広重と足立を知って頂く講座で、広重浮世絵の講義、法要・墓参、寺町散策、郷土博物館での浮世絵展鑑賞と盛り沢山の講座内容でしたが、受講者には広重と足立を理解頂き満足頂いたと思います。法要にあわせて、郷土博物館の浮世絵展とも連携した日程での講座ができよかったと思います。
                                           (福田哲郎)



        

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

没後160年 歌川広重と足立

講座開催報告

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