令和元年度受託講座  開催報告

生命を支えるタンパク質のふしぎと起因する病気

「心と体の健康講座」シリーズ

好評のうちに終了しました

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                                                                【講座開催日】2019年11月29・12月6・13・20日

11月29・12月6・13・20(各金)午後7時~8時30分の4回講座で、応募者32名、受講者30名、延べ91名での講座でした。講師は千葉大学名誉教授、元千葉大学大学院医学研究科教授博士(理学)専門分野は分子生体制御学の木村定雄氏が務めてくださいました。

          

この講座はタンパク質とはどのようなものか、体の中でタンパク質は食べ物からどのように取り入れて、どのように作られ、どのように働いているかを学ぶ中で、タンパク質の構造とそのはたらきを通じて健康がいかにうまく維持され、タンパク質の量の異常が健康を保つしくみを破壊し病気を引き起こすのかを詳しく解説するものでした。
最初に、「新しい人体の教科書(山科正平著)」“はじめに”の引用文5点のお話がありました。
①からだ=誰もがひとつだけ持つかけがいのないもの。
②高齢化・年を重ねるごとに、あちこちに異常や障害が発生してくる(高齢化の問題は体の問題)。
③病気や健康、食品の安全・安心、健康食品やサプリメントの情報があふれている。
④しかし、自分の健康をまもるのは自分をおいて他にない。
⑤自分のからだについて、もっと関心を高め、自分の目でじっくりと眺め直してみてはどうか。


                         

第1回の講義は、タンパク質とはどのようなものであるかの解説でした。人体のつくり→細胞→細胞を構成する物質→タンパク質の機能→構造タンパク質 という流れで進みました。かなり専門的な用語での説明でしたので十分に理解できないところが多々ありました。

第2回の講義は人生100年計画、糖尿病の診断等の資料の解説を導入に、体を制御するしくみ(人体のネットワークのしくみ)について、酵素とは何か→細胞の情報伝達→内分泌ホルモンという流れで進みました。酵素はタンパク質であり、生命を維持する様々な化学反応を触媒する( 生体触媒としての酵素)。
そして常温・常圧・中性に近い状態の中で、多くの物質のなかから特定の物質を選んで反応を進行させ、反応の特色は6種類に分けられるというものでした。予防として、ウオーキングや自転車こぎなど1日30分間の有酸素運動を基本にした生活でも可ということでした。


               

第3回の講義はタンパク質が起こす体の病気Ⅰとして 免疫・アレルギーについて「免疫学」の基礎知識の解説でした。その解説は、免疫とは何か→免疫を担当する組織・細胞→体液性免疫と細胞性免疫→自然免疫のしくみ→獲得免疫への橋渡し→抗体 という流れで進みました。その後、アレルギーとは何かについての説明でした。免疫は病原体から体を守る働きであることは知っていましたが、その仕組みは難しかったです。

第4回の講義はタンパク質が起こす体の病気Ⅱとして、がん・目の病気・脳卒中の解説でした。がんについては、なぜ(どのように)ヒトはがんで死ぬのか?→血行性転移→リンパ行性転移(リンパ管・リンパ節)→大腸癌 という流れで進み、目の病気については白内障→緑内障→加齢黄斑変性症→糖尿病網膜症の流れで進み、最後の脳卒中については脳卒中とは?→脳の血管が詰まる「脳梗塞」→脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」→脳卒中が起こったらどうするか→脳卒中の治療 という流れでの説明でした。私自身60代前半に白内障の手術をしましたが、手術をしておいて本当によかったと思いました。

毎回、受講者から質問や感想・意見を受付けて次回に文書で回答するのですが、受講者の方々の質問は最新の医学にかなり関心が高く専門的なのですが、木村講師の回答は図解入りの丁寧な表現での回答でとても勉強になりました。                               (佐々木善光)


        

撮影現場↑