【講座開催日】2019年12月1, 6, 15日

12月1日・12月6日・12月15日の3回講座。応募者46名、受講者37名、延べ80名、1回目:足立区立郷土博物館。2回目、3回目:足立区立生涯学習センターで開催されました。

                          

1回目の前半は、足立区立郷土博物館学芸員の小林憂氏より浮世絵について講義を頂き、その後1階に展示してある浮世絵を鑑賞しました。展示に関しては浮世絵そのものの魅力は当然だが、プラスして千住という文化に目指した背景の部分で、単なるコレクションではなく、生活文化の中での千住ゆかりの浮世絵(役者絵)であることを、作品の一つ一つ丁寧に解説された。

展示されている浮世絵は90年以上開けられたことのない千住で代々接骨院を営む、名倉家の蔵から130点ほど提供された中の“歌舞伎役者”にスポットを当てて80点程展示してある。明治時代のものが多く、その時代と同時に関係する役者や絵師たちの交流の絵が中心となっている。確認された「名倉家の浮世絵は蔵にしまわれていた期間が長く、日光による変色が少なく、ほとんど作品として作られた状況に近い状態で保存されていた。」と話されたように、1階に展示してある浮世絵は色も鮮やかで素晴らしく、受講者にはゆっくり鑑賞いただけたと思う。「伝えたいことが沢山ある」と話されたように、熱く浮世絵についてご講義頂きました。

                              

後半は国際浮世絵学会理事の稲垣進一講師による“浮世絵の始まり”(師宜・正信)の講義を頂きました。絵師の師宣によって描かれた浮世絵は、貴族たちの楽しみの絵が描かれ、12ヶ月の季節を表したものや、京都の賑わいの絵などの生活状況が楽しまれていたようだ。このころ日本には遠近法が無く、遠くへ行くほど高い道に書かれて、その間の矛盾した所は雲で隠すような、日本独自の技法で描かれている絵。江戸時代は自由な雰囲気で庶民に楽しんでもらえる絵が描かれている。解説の後、講師の持参した本物の浮世絵を、手に触れながら熱心に受講者は鑑賞することが出来ました。

          

2回目は稲垣進一講師による「錦絵の発明と発展」浮世絵の素晴らしさは、客に合わせ、時代に合わせ、何が流行っているのかを探り、ニーズに合わせて絵を書かき10色位色を使ったカラフルな浮世絵はあまりにも美しく“東錦絵”として名付けられた。浮世絵は江戸の産業の1つ。文化人たちは集まって絵を書き、出来栄えを競うような絵暦交換会が流行ったという。後半は“幕末の浮世絵師国芳”について講義を頂いた。

         

3回目は同じく稲垣進一講師より「ジャポニズムと新版画」について講義を頂きました。浮世絵のバックはシンプルな肖像画、日本の文化「浮世絵」の中の生活を、絵画の中に取り入れ楽しむという「ジャポニズム」。日本の文化を収集して、マネが初めて取り入れた。日本の文化は外国人にとってエキゾチックに思われている。取り入れた作品を忠実に写し取っているのは、学びたい気持ちの反映という。例えば、ゴッホは、広重の「江戸百景」を取り入れ作品の周りに「浮世絵」が描かれている。も厳しい!!と思いました。                                             (佐々木善光)


        

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

江戸の庶民文化 浮世絵の魅力

講座開催報告

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