【講座開催日】令和2年7月3・10日

7月3・10日(各金曜日)午後2時~4時 研修室1 応募者 24名、受講者22名、延べ40 名での講座で、講師には中世文学会会員の竹石たか枝氏を迎え開催されました。

                          

第1回目は、「今昔物語集」の成立と時代背景~貴族や庶民の様々な階層の人々がたくましく生きた姿を読み解く~と題して、「今昔物語集」について、説話とは、時代背景、「今昔物語集」を読む について解説された。
「今昔物語集」は今から九百年ほど前の平安時代末期に作られた説話文学の大作で、千を超える仏教説話、世俗説話である。今は昔で始まる「今昔物語集」は、天竺(インド)巻一から五、震旦(中国)巻六から十、本朝(日本)巻十から三十一に収録されている。混乱の時代をどのように生きるかが常に問われている文学である。また、平安時代の人々がどのように生きてきたか、どんなことを願い、どの様に幸せを求めていたのかの話である。

                              

第2回目は、「今昔物語集」が近代文学に与えた影響~芥川龍之介を中心に、読み継がれている面白さを探る~と題して、「今昔物語集」と近代文学、、芥川龍之介(明治25年~昭和2年)、「藪の中」(大正4年11月)、「今昔物語集」の魅力について解説された。
「今昔物語集」を蘇らせた近代作家のひとりが芥川龍之介である。巻28第20話を題材にしたのが芥川龍之介の短編「鼻」である。「羅生門」と巻29第18話、生きるために悪は許されるかという論理的な煩悶をテーマに取り入れた作品である。「芋粥」という話は、権臣に仕える五位の身分にある侍の腹いっぱいに芋粥を食べたいという願いがかなって逆に失望してしまう話である。
 「今昔物語集」の魅力とは、時を超えて語りかけてくる様々な人間の生きざま、いつの世も、たくましく、賢く、哀しく生き、そして死んでゆく人間の営みへの共感である。

          

なお、新型コロナウィルス感染拡大への防止を図るため、受講生にマスクの着用、間隔をあけての着席、講師にはマスク、フェースシールド着用をお願いした。 
                                    (佐久間 實)


        

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

平安時代の説話集「今昔物語集」の世界を探る

講座開催報告

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