【講座開催日】2021年2月2日・16日・23日 

3月2日、16日、23日と行われた遠藤周作を読む「人生の同伴者」イエスとは!の講座は応募者27名、受講者24名、延べ受講者70名でした。

                          

第1回目は『侍』ローマ法王への親書を携えて海を渡った「侍」の運命は?
藩主の命でローマ法王への親書を携えて侍とその供の者たちは、宣教師を案内人に苦難の旅をし、お役目達成のためローマで受洗を迫られる。7年後キリシタン禁制、鎖国となった故国へ戻った侍の運命は?
政治の渦に巻き込まれ、歴史の闇に消えていった男の生を通して、人生と信仰を問うている。遠藤周作は、フランス留学時の苦難の航海、子ども時代の心ならずもの受洗、長い人生の中で揺れ動きながらたどり着いた信仰への想い等、自分自身の人生を『侍』に投影し、共通する想いを乗せている。
彼の作品に通底する弱虫と強虫、いろんな糧を経て弱虫と強虫が互いにオーバーラップし、やがて行きつくところは一緒であるという。その想いが『侍』の中にも書かれている。

              

第2回目は『聖書のなかの女性たち』聖書の中の11人の女性の「苦しみの連帯感」について
聖書に登場する11人の女性のうち、聖母マリア、ヴェロニカ、マグダラのマリアの3人を取り上げた。彼女らは聖書のなかに出てくる「女性というもの」の象徴的な分身である。
光と闇、美しさと汚らしさ、善と悪、強さと弱さなど人間誰もが持っている。キリストはそこに起こる孤独や苦しみに奇跡を起こすのではなく、苦しみや孤独の傍に寄り添う、命を賭けて苦しみを分かち合おうと連帯する、それは「母なるもの」の愛と共通するものである。

          

第3回目は『イエスの生涯』遠藤周作が甦らせた、イエスの〈生〉の真実
遠藤周作は聖書から読み取り、自分の思いを込めて『イエスの生涯』を書いた。人間は一人では生きられない。「だれかが自分と苦しみを分かち合ってくれている」ことを感じるから生きていける。イエスがあえて社会から見放された人たちに関わったのは、その人たちの苦しみや孤独を引き受けようとする連帯感であり、人生の同伴者として存在するということに他ならない。何もかも包み込む母のような愛こそイエスであり、彼が作品を通して訴えたかった真意である。遠藤周作の好きなフランス語「co-souffrir」コーソフィール(苦しみを共にする)これは彼のやさしさを物語っている。

受講者からは、深い内容の講座だった、「人生の同伴者」について自分なりに考えたい。
聖書について新たな知識が増えた。作品を再度読み返して前回とは違う感想を持ったなどが寄せられました。
                                         (林 令子)


   

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

遠藤周作を読む「人生の同伴者」イエスとは!

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