【開催日】2021年11月・19日・26日

 講師は弁護士で足立区出身の小出康夫氏。11月19日・26日(金)の2回にわたり、コロナ対策を行って開催された。応募者はハガキ38名・メール13名・合計51名であった。受講者は43名で、第1回が41名・第2回が39名・累計80名であった。当初研修室4で30名募集の予定であったが、応募者が多く、センターに協力して頂いて講堂で開催された。
                          

   第1回は「遺産相続と遺言書の作成」で、相続・遺産・相続人・遺言・単純承認・限定承認・相続放棄など、遺産相続についての基本的な知識をわかり易く解説された。遺言書については、被相続人の生前の意思が最優先されるが、誰にどれだけ引き継がせるかは遺言書の内容に從って分けられる。ただし、法定相続人には「遺留分」がある。遺言書がない場合は「遺産分割協議」によって10か月以内に分け方が決定される。協議が合意できない場合は、家庭裁判所により調停調書が作成される。

第2回は「成年後見と任意後見」で、成年後見制度は認知症・知的障害・精神障害などで、判断能力の不充分な人の財産管理や身上保護などの法律行為が難しい場合に、不利益な契約を結んだり、悪質商法の被害に遭うことを防ぎ、法的保護や支援をする制度である。任意後見制度は判断能力があるうちに、判断低下に備えて、任意後見人にしてもらいたいことを契約で決めておく制度で、被後見人が自ら後見人を選ぶ。一方、法定後見人制度は本人の判断能力に応じて、「補助」「保護」「後見」など、類型によって後見人に与えられる権限や職務が異なる制度で、後見人は家庭裁判所が選任する。その他、民事神託についても紹介された。

              

   受講者のご意見
・素晴らしい講義内容でした。実務に詳しい先生のお話は、終始具体的で分かりやすく、法律に疎い私にもよく理解できました。またテキストは的確に簡潔に要点が記述されていて、ベテラン弁護士さんの「うんちく」が随所に見られて、唯々感服した次第です。これからも末永く法律知識の乏しい庶民の為に、ご多忙とは存じますが、今回のような公開講座に出講して下さるよう要望させて頂きます。
・弁護士としての立場からの意見がとても参考になった。今度は税理士の先生から実務的な話も聞きたい。“家族神託”についても詳しく知りたい。
・相続に関しては、いずれ自分にも関係してくる問題なので、身近なこととして、関心をもって講座を聴きました。非常に参考になり、今後相続問題の発生した際に役立つものと、大変勉強になりました。ありがとうございます。など。

                          

   この講座はいつもと違う2つの特徴があった。まず第1はアンケートの回収は34枚と非常に多かった。それだけ受講者に関心の高いテーマだったと思われる。第2は受講者43名中女性が29名で67%であった。今年度は女性受講者の増加傾向が見られている。
                                        (糸井史郎)



   

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

「わかりやすい遺産相続と後見制度」

講座開催報告

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