【講座開催日】2022年6月6日・20日・27日

講師:種井 丈 氏 ・ 木口 直子氏 田畑文士村記念館研究員
6月6・20・27日の3回にわたり足立区生涯学習センター研修室4にて開催された。応募者は27名、受講者は27名、参加者は第1回23名・第2回24名・第3回22名・合計69名であった。講師は田端文士村記念館の種井丈氏(第1・2回)と木口直子氏(第3回)。

   

第1回は「芥川龍之介の生涯と作品」として,明治25年(1892)の芥川の誕生から・学生時代・新進作家から人気作家へ・体調不良・トラブルと自殺願望・文学論争・昭和2年(1927)の自殺まで、35年の短くも濃厚な人生が紹介された。大正4~8年の充実した作家人生と大正9年~昭和2年までの体調を崩した7年間の苦悩が印象的であった。

第2回は「芥川龍之介の交友関係」として夏目漱石・菊池寛・室生犀星・堀辰雄など小説家を中心とした文化人との交友関係「夏目漱石の木曜会」が紹介された。特に漱石との師弟関係は大正4年からのわずか1年であるが、漱石は芥川を高く評価し、芥川は漱石を尊敬していた。

                                     

第3回は「芥川龍之介の生活と家族~芥川龍之介旧居跡地の出土品の解説~」として、芥川の生活・趣味・嗜好が紹介され、更に田端の芥川の旧居の発掘調査報告が行われた。田端の家は大正3年(1914)から住み、家族は芥川の亡き後17年居住したが、太平洋戦争で藤沢に疎開後、昭和19年(1944)6月東京大空襲で焼失した。防空壕から数々の日用品が発見され、芥川家が使用したものとは限らないが、同時代の人々の暮らしや文化の一端としてみることができる。北区は旧居の一部を取得し、(仮称)「芥川龍之介記念館」の開設を準備中である。



講師2人に対するご意見。
種井講師「よかった。大変わかりやすい講義だった。漱石の話の中で、作家の中で三島由紀夫の脳が一番重かったとか、菊池寛の中で松本清張が芥川の写真を買ってファンだったというのが意外で、初耳で面白かった。貴重なスライド写真も見られて良かった。」
木口講師「私のこれ迄受講した講義でベストです。受講できて本当に良かったです。また木口先生の「田端文化村」やあるいは別のテーマの講演に期待します。」                                                  (糸井史郎)




   

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

生誕130年  芥川龍之介の作家人生と家庭生活

講座開催報告

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