【講座開催日】2022年10月16日・23日・30日

 10月16・23・30日(日)の3回にわたり、生涯学習センター講堂において開催された。講師は前ブリジストン美術館館長で実践女子大学名誉教授の島田紀夫先生。受講申込は53名、受講者は47名、延べ124名であった。

                            

第1回は「モネ 美しい自然の風景画」で、まず「印象派」とは何かが説明された。19世紀のフランスは新古典派のアカデミーの公募展であるサロンが確立されており、サロンに落選となった急進派の画家たちは、歴史画や宗教画よりも、風景や生活を描き、色彩も鮮やかであった。急進派は1974年~1886年に全8回のグループ展覧会を開催し、それに参加した画家を印象派という。
 モネは1840年生まれの印象派を代表する画家で、第1回グループ展に「印象、日の出」を出品し、これ以後グループ展出品の画家たちとその作品が印象派と言われている。1880年代は「積み藁」「ポプラ並木」「ルーアン大聖堂」などの連作を残し、1890年代はシヴェルニーに土地を購入し、睡蓮の池を作り、そこに日本の太鼓橋を架け、「睡蓮」の連作を残した。1926年このシヴェルニーで死亡した。

                                

第2回は「ルノワール 日常生活を描いた風俗画」。ルノワールは1841年生まれでモネと並ぶ印象派の代表で、もっぱら風景画を追求したモネに対して、ルノワールは人物を中心とした風俗画を描いた。1861年画家を志し、シャルル・グレールの画塾でモネ・シスレー・バジールと知り合い、1864年にサロンで初入選した。その後落選が続き、モネやピサロと共同出資会社を設立し、1874年第1回印象派展を開催した。愛らしい少女像と裸婦像を多く残し、1919年に死亡した。

            

第3回は「印象派の女性画家 モリゾとカサット」で、マネに影響を受けたベルト・モリゾとドガと親しかったメリー・カサットの2人が紹介された。
モリゾは印象派随一の女流画家。1841年生まれで1868年マネに出会い、絵画を学びながら彼のモデルを多く務めた師弟関係であった。女性特有の感性で描いた母子像や画家の娘を描いた作品には、男性には見られない繊細さと穏健さが見受けられる。1895年死亡。

カサットは1844年生まれで印象派を代表するアメリカ出身の女流画家。日常生活の身近な情景や人物を独自の視点で描いた。1877年ドガと知り合い印象派展に4度出品した。その後米仏伊西や中東などで作品を制作し、ニューヨークで個展を開催した。1926年死亡。

                          

受講者の声:
○印象派の作品は好きですが、一番好きなのはモリゾなので今回参加しました。女性としての視点が優しくて大好きです。
印象派の絵画(特にルノワール)は好きですが勝手に観るだけだったので解説付きでたくさん観れて楽しい講座でした。
沢山の絵の映像が観れて良かったです。特にモネとルノワール絵画が同じ場所の風景を並べて観れたのがよかったです。この時代の画材(絵の具)の事が知りたかったです。
マネについてなぜ歴史の教科書が曖昧な扱いをしていたのか判って、良かったと感じております。島田さんの口調が心地よく、安心していられたので、日頃の緊張がほぐれました。               (糸井史郎)



   

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

「印象派」の絵画を楽しむ モネ・ルノワールなど

講座開催報告

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