【講座開催日】2022年11月4日、11日、18日

 11月4・11・18日(金)の3回にわたり開催された。申込みは26名。受講者は26名、第1回23名、第2回18名、第3回22名、累計63名であった。

                            

第1回は生涯学習センター研修室4において文京ふるさと歴史館友の会の渡辺征夫氏によって、「
樋口一葉 24歳7か月の生涯」として、明治5年の樋口一葉の誕生から明治29年までの24歳7か月
の生涯が紹介された。4~9歳の経済的にも家庭的にも恵まれた桜木の宿の時代。その後、11歳で
青海小学校卒業、明治19年に歌塾「萩の舎」弟子入り、明治22年に父・則儀の病没、この間幾度
となく住居を移りつつ、18~21歳には本郷菊坂に居住し、明治24年に半井桃水に出会い、その後
龍泉寺・本郷丸山福山町に転居し、最後の奇跡の14か月に小説11作品を発表し、病に倒れた。

    

第2回は渡辺先生と台東区観光ボランティアの堀越直子さんによる現地学習で、文教ふるさと歴史館に集合し、菊坂一葉旧居跡・旧伊勢屋質店・法真寺桜木の宿跡・丸山福山町の樋口一葉終焉の地などを見学した。伊勢屋質店は跡見学園が管理しているが、講座企画時は金土日の3日間公開となっていたが、現在は不定期になっており、金曜日開催にしたものの残念ながら入館できなかった。

    

第3回は生涯学習センター第4研修室に戻り、森鴎外記念会常任理事の倉本幸弘氏により、『「たけくらべ」を読むー森鴎外との関わりにふれながら』として、一葉の文学・作品論が解説された。冒頭、森鴎外・幸田露伴・斎藤緑雨の「三人冗語」で「この作者は、まことに獲易からざる才女なるかな」と絶賛している様子が紹介された。次に歌物語といわれる伊勢物語の「筒井筒」に「たけ・くらべ」とあり、教養の高い一葉はそれを踏まえたタイトルであることが説明された。

   

受講者の言葉。
(第1回)渡辺先生のお話はとても楽しくあっという間に時間がたってしまいました。
(第2回)菊坂へは一度行ってみたいと思いながら、機会が全くなく、今回の講座で出かけられてよかった。2回目の一葉ゆかりの場所を訪ねての勉強はとても良かったです。天候にも恵まれてタイムスリップの2時間でした。大学塾で初めての現地研修。専門の先生の案内で回ることができ、少しハードでしたが充実した貴重な体験でした。史跡めぐりで改めて感動した。
(第3回)倉本先生のお話、とても良かったです。ぜひまた先生のお話が伺いたいです。倉本先生の朗読は心地よく、当時の様子が目に浮かぶような気がしました。高校生の時、課題で読まされたときは面白いと思えなかったが、一度読んでみたいと思いました。(1~3回)樋口一葉の短い人生を知り、生まれた時代が違えばもっと長生きできたのではないかと気の毒に思う。一葉に興味がわいたので、台東区の記念館にも行ってみたいです。新聞社のカルチャー教育の料金は特に疑問なく払っていましたが、区の講座料金(大学塾)は(低料金で)本当にありがたいです。楽しかったです。自分なりの一葉像がより身近になりました。今後、この講座のあれこれを楽しく広げることが出来そうです。

最後に一葉忌は11月23日(水・勤労感謝の日)で現地学習で立ち寄った本郷の法真寺で開催される。生誕150年・11月開催でタイミング良い開催であった。
                                                                                                                             (糸井史郎)


   

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

生誕150年「樋口一葉」の生涯・旧居跡・作品

講座開催報告

好評のうちに終了しました

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