【講座開催日】2023年12月6・20・27日

   12月6・20・27日(水)の3回にわたり、研修室1において開催された。講師は元歌舞伎座支配人で歌舞伎研究家の金田栄一氏。申込者は39名、受講者は35名、出席者は第1回32名・第2回33名・第3回32名・累計97名であった。
                       

 第1回は「心にひびく名せりふ(知らざー言って・・・)」と題して、歌舞伎の名せりふの解説が行われた。演目は「白浪五人男」「三人吉三」「助六」「外郎売」「義経千本桜」等で、「白浪五人男」は菊五郎演じる弁天小僧の「知らざあ言って聞かせやしょう」、吉右衛門演じる日本駄右衛門の「問われて名乗るもおこがましいが」が紹介された。「三人吉三」は「月もおぼろに白波の」の名せりふ。「助六」は12代團十郎と玉三郎の揚巻を画像で紹介された。「外郎売」は2代團十郎が始めたが、現8代目新之助まで市川家の「外郎売」が曾我兄弟に結びつけられた背景も紹介された。「義経千本桜」は「鰯ておけば飯蛸思い」と「魚づくし」の言葉遊びが紹介された。

       
   

 第2回は「「アイデアあふれる衣裳とデザイン」で色と役柄の関係が紹介された。赤い衣裳は「赤姫」と言われお姫様に使われ、紫は高貴な身分の人に多く、大名の妻や「勧進帳」の義経に使われている。紫の変則的な使用法として「紙衣(かみこ)」があり、豪商の息子が無一文となって紙で作った着物を着る場合に部分的に使われる。緑は田舎娘や滑稽な役柄に使われる。浅黄色(淡いブルー)は「忠臣蔵」の若き大名桃井若狭の助や「勧進帳」の冨樫など颯爽として正義感の強い役に使われる。続いて「白浪五人男」「助六」「暫」の実際の衣裳と役柄の特徴について紹介された。

          

 第3回は「歌舞伎演目深掘り(勧進帳・忠臣蔵)」で、歌舞伎演目の人気№1と№2の2大演目のあらすじと見どころを幕開けから幕切れまで解説された。「勧進帳」は義経一行の花道の出・弁慶のノット(祈り)と勧進帳の読み上げと山伏問答・幕切れの飛び六方までの楽しみ方が解説された。「忠臣蔵」の時代設定は足利時代となっており鎌倉鶴岡八幡宮の場面から始まる・新田義貞の兜改め・師直の家老の「エヘン、バッサリ」・「遅かりし由良之助」は由良之助が江戸にいないので、判官に面会出来なかったので、このせりふは実際はなかった・由良之助の手紙を盗み読みする「お軽の鏡」・歌舞伎では異例の写実的な「討ち入り」・引き上げなど、各場面の見どころが解説された。

                      

 受講者の言葉:
・台詞・衣裳など細かい事がよくわかって、とても楽しいです。歌舞伎の奥深さ、江戸の方々の粋な心などがよくわかりました。七五調のせりふなど聴いていると心地よくて、日本語の持っている不思議な力を感じます。
・期待にたがわず楽しい講座で、毎回あっという間に2時間たってしまいました。来年もまた、是非開講して頂けたらと希望します。例えば、「屋号」や「人間国宝」など。
・実際の歌舞伎はまだ見ていませんが、見るときの参考になりました。入門編でわかりやすかった。歌舞伎のイロハがわかりました。観劇するときの参考になりました。たのしい話ありがとうございました。
                                                       (糸井史郎)

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

「元歌舞伎座支配人の歌舞伎入門講座                                       カブキの楽しさ見つけよう!」

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