【講座開催日】2025年4月5日・12日・19日

 講師:柴田 寛 氏(元農林水産省 課長職)令和7年度の最初の講座として4月5日・12日・19日に開催されました。応募者は47名、第1回40名、第2回37名、第3回37名で延べ114名でした。

                          

 第1回・・・半導体産業の過去・現在と課題
〇超小型の半導体の固まりであるパソコン、スマホとインターネットは、世界中の人々の生活様式や企業活動を一変させた。現代社会に不可欠な半導体は1955年にトランジスタ・ラジオから出発した日本の半導体は、技術開発や経営努力により1988年には世界の半導体販売額の過半数を占めアメリカを抜いて世界第1の半導体大国となった。その後、日本の半導体産業は半導体大国から一転して衰退の路をたどることになった。凋落の理由として①日米半導体交渉による半導体生産の抑制。②家電大手企業の失速に伴う半導体部門の分社化、統合、売却、事業撤退。③アメリカの半導体・IT企業の躍進とデジタル革命。④韓国、台湾、中国の半導体企業の台頭。
〇3年ほど前より半導体産業に反転の兆しとして、世界最大の半導体受託企業のTSMCの熊本進出や最先端半導体企業ラピダスの工場建設により半導体産業の復活への期待が高まるが、その実現可能性はなお不透明。公的資金や出資企業による金融面の支援に加え、日本が強みを持つ半導体材料・半導体製造装置の活用や高度人材の育成・確保が鍵といえる。

                

 第2回・・・人口減少下の教育の課題
〇人口減少が進行する中、国際競争を勝ち抜く人材の育成を担う「教育」では現在、児童・学生の減少、教育費負担の高まり、英語力の伸び悩み等様々な課題に直面している。
〇少子化の中、日本の学校制度は各段階で様々な変化を遂げつつある。注目点としては、少人数化が進む小中学校では不登校といじめ、高校では私立と通信制の増加、高等教育では大学の進学率上昇、短大の縮小、大学院での留学生の増加を挙げることができる。
〇子供1人の教育費総合計は、公立型で1千万円強、私立型で3千万円弱と推計され、家計の負担は大きい。中でも、授業料値上げや親の収入の伸び悩みもあり大学・短大等における負担が高まっているが、負担に耐えつつも高校から高等教育への進学率は上昇が続いている。
〇小中学校の教育方針は、ゆとり教育と脱ゆとり教育で揺れ動いたが、数学力・科学力は世界最高クラスに回復。しかし、政府が強化する英語では着実に向上しているが、留学生向け国際試験では長く世界最下位クラスにあり、その引上げが期待されている。

                          

 第3回・・・日本の財政の特殊性と課題
〇日本の財政は、長年にわたり巨大な累積債務を抱えているため、健全財政に戻すべきとの声も根強いが、現実に社会保障費・防衛費・コロナ対策費等の増加により、累積債務の増大に歯止めがかかっていない。財政破綻を起こすことなく将来的に財政を維持できるか、日本財政の特殊性と課題について考える。
〇財政には、適正な資源配分、所得の再分配、景気の調整という3つの役割。歳入不足の補填のため1965年から国債が発行され、バブル崩壊以降の増大を経て、2023年には累積1,068兆円。財政再建のため1989年から消費税が導入され、税率10%に引上げ後は歳入の第1位である。
〇累積債務が巨大化する中、数十年に渡り財政危機や財政破綻の危険性が叫ばれてきたが、現時点ではリスク指標とされる国債の格付、金利・物価上昇率、海外保有比率等に懸念すべき兆候は見当たらないが、将来の危険性は否定できず、財政規律の維持や放漫財政の回避が必要である。

≪受講者のご意見≫
・日本の半導体産業の歴史、将来についての情報、資料がよく整理されており、わかりやすく、よく理解
できた。日本の教育問題についてもその問題点についてわかりやすく解説されており今後将来どうあるべきかについて考えさせられた。とにかく勉強になった。
・図表が多くて、理解しやすかった。日本の現状を理解するう えで大変役にたちました。
・難しいテーマですが図、表を用いてわかりやすく講義いただきました。毎回クイズもだして頂きおもしろかった。講師の資料準備、作成に感謝します。                                                                                                         <篠原英也>


   

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

日本経済入門2025 ~半導体・教育・財政~

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