平成20年度あだち区民大学塾開催報告

<午前の部>講演会:「大江戸と千住宿」講師: 鈴木章生氏(目白大学准教授)
 江戸四宿の一つ千住宿は、日光街道「21宿」、奥州街道「27宿」へと至る、日本橋を起点とした街道最初の宿場町で、江戸を旅立つ旅人はここで別れを惜しんだり、茶屋や酒楼はもちろん飯盛旅籠もあり、旅人や見送り人、江戸より飯盛女を目当てに来る人などがいて、たいそうな賑わいで江戸近郊の遊興地としての役割を果していた。日光や東北方面より江戸へ入る諸大名の行列や旅人が江戸入りする前に長旅の垢を落としてさっぱりとして江戸入りする宿場所でもあった様だ。 

また、江戸と関東東北部を結ぶ、庶民の食や日用品を中心とした商業が盛んで幕府の御用市場としての役目があった事が、旧日光街道沿いにある絵図や板札で今も伺い知る事ができる。 そして、此の地が大変風光明媚であった事や、問屋衆が商業で大変裕福であった事も、江戸より多くの文人墨客を集めて俳句や文化活動が活発に行なわれていた事を、多くの詩歌が残されている事などからも知られるなど、千住宿場町の今の様子を最近の写真で紹介、詳しく説明して頂きました。東海道「品川宿」、中山道「板橋宿」、甲州街道「内藤新宿」が、それぞれ千住宿と異なり、どの様に機能していたかについても触れて頂いた。         (金子 勝治)

<午後の部> A 千住まち歩き〜江戸四宿の一つ千住宿場町を歩く〜(コーディネーター田中国弘)(当会会員)
 曇りがちではあったが町の見学にはちょうど良い気候だった。 参加者はスタッフ6名を含み29名。10分間のオリエンテーリングの後、1時半に学びピアの前を出発した。
 予定の順路に従い旧日光道中を北から南に向かった。スタート直後の名倉医院では「とぶ板で名倉レましたと駕籠で来ル」という川柳も飛び出す説明に一同も引き込まれ、時間が早くも15分経過した。
 安養院・「槍掛けの松」の清亮寺・長円寺・横山家(近所のお年寄りが飛び入りの説明のハプニング)・本陣跡・赤門寺の勝専寺・鷹野鳥見屋敷跡・不動院・慈眼寺を廻り、千住宿問屋場・貫目改所跡、ここで10分間の休憩をとり、3時10分に再スタートした。千住大橋のたもとで引き返す頃には元気だった受講者にも疲れが見え始めたが、4時半には最終地点の北千住駅前に到着、予定時間を若干オーバーの約3時間、一人の脱落者もなく無事に町歩きを終了した。           (鹿島健一)

<清亮寺>                        <勝専寺>                       <慈眼寺>
参加者の感想
・午前中お話を伺って実際に歩いたのでとても面白かったです。天候にも恵まれ最高でした。
・大変勉強になりました。ありがとうございます。今度は妻と一緒にゆっくり見学したいと思います。
・足立に住んで50年以上、いつかはこの地の歴史を振り返ってみたいと思っていました。定年を過ぎ区民大学塾で勉強できて大変ありがたいと思いました。

<午後の部> B パネルディスカッションとワークショップ
 「講座づくりから文化がみえる」
  〜自分の地域だけの講座を創ってみよう〜
午後の部前半は、荒昌二郎氏(ふるさと学舎)、櫟原文夫氏(千住文化普及会)、早坂津夜子氏(楽学の会)、コーディネーター、鈴木章生氏によるパネルディスカッションが行われた。荒氏は、伝統文化の横のつながりを創り、文化の出前をおこなう話。櫟原氏は子ども達に心の故郷を作り、文化・歴史のイベントを通して、町おこしに貢献する話。早坂氏は、大学塾について話した。

 後半は、講座づくりのワークショップ。各班のテーマは「郷土の文化をつむぐ」「ラーメン文化から見る北海道」「足立を食べる」「おじちゃん、おばちゃんに聴く足立のいま、昔」。どれもユニークで面白かった。最後まで心時良い笑いが絶えなかった事がとても印象に残った。                   (安田善英)
  

あだち区民大学塾フォーラム 〜「楽学の会」が創りだす市民力の原点を体感〜

好評のうちに終了しました。

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