【講座開催日】 平成28年4月16・23日 (土曜日)

   本講座は、通常の三者共催にNPO法人千住文化普及会(理事長・櫟原文夫氏)の賛同をいただき、四者共催事業として、去る 3月 19日(土)に開催された葛飾北斎「冨嶽三十六景」千住顕彰碑建立の関連講座として、講演会と現地学習の2部構成で実施しました。  


                           


第1回目は櫟原文夫氏を講師に『葛飾北斎「冨嶽三十六景」千住浮世絵の謎~千住宿と冨士塚から迫る~』と題して講堂にて講演されました。氏は千住宿の概観や芭蕉の千住旅立ちのお話を皮切りに、冨嶽三十六景(実際は 46枚)のうち3枚もの作品がなぜ千住地域を題材として描いたのか、この謎を解くための講話をされました。    
その仮説とは、①浮世絵は当時、手軽なお土産品であり、千住宿に北関東一円から集まる富士講の信者対象に商売熱心な版元の西村屋与八が商機を逃すはずがなく、「千住で3枚の浮世絵」を企画しても不思議ではない。  


     


②北斎も千住が江戸最大の隆盛をみる宿場であり富士講の拠点の一つになっていることを知り、北斎自身が北極星と北斗七星を神格化している「妙見信仰」の信者であり、富士信仰に結びつけて千住で描いたのではないか、との2点です。
講座終了後のある受講者のアンケートの記述には、“自分が住んでいる千住に冨嶽三十六景の中の3枚もの絵があることを初めて知り興味が増しました。富士塚のお話も興味深く、パワースポットも近くにあるとのことで是非訪ねたい”との感想が寄せられました。

     


第2回目の現地学習は、『北斎顕彰碑「冨嶽三十六景」千住浮世絵を巡る~武州千住・隅田川関屋の里・従千住花街眺望ノ不二~』というテーマで、午後1時30分に先発班がスタートしました。案内と説明は千住文化普及会の櫟原氏及び永田氏、田中氏、中島氏が担当して下さり、現地学習のマップ資料を基に3班に分け巡りました。顕彰碑は聞くと見るとでは大違い大変立派なもので、区民みんなで大事にして後世に継承していかなければならないと思いました。


                  


参加者からの感想には、①インカム(無線機)で細かいこともよくわかり楽しかったです。②実地を見て他の状況も詳しく説明いただき、楽しく過ごさせていただきました。③北千住に住んで4年程になりますが、まだ知らないことばかりでした。④興味深い街歩きになりました。⑤近場で江戸の雰囲気たっぷり味わえました。等々、2時間の行程にも疲れを感じさせない感想を寄せていただきました。受講者総数は、講演会64名、現地学習52名、延べ116名の参加者でした。                                                                                          (佐々木善光)


        

平成28年度あだち区民大学塾開催報告

北斎「冨嶽三十六景」 千住浮世絵の謎と碑を巡る

好評のうちに終了しました

「あだち区民大学塾」特別講演会報告

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