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   平成26年7月27日(日)足立区立郷土博物館で「明治期足立の光と影」と題しての講話がありました

                 
   ・幕末の新選組、明治の千葉家       あさくらゆう氏
   ・千住中組・高尾家からみる明治の名望家  三村昌司氏
   ・近代足立の文化 −江戸文化志向−     多田文夫氏


概要は以下のとおりであった。千住遊郭は、現在の北千住駅前付近にあり、明治13年には23軒を数えるほどの繁栄をした。森鴎外の父静男の「橘井堂」医院、千葉さなの「灸治院」は、遊女達の健康管理も一つの目標として開業された とは始めて聞く話であった。又千住の高尾家の社会的働きは、千住宿の重鎮だけにとどまらず、当時の生活基盤であった見沼代用水等の水利関係の役職を歴任したことなど、明治の名望家とは、このような人を言うのであろうか?千住地区にかぎらず足立では、幕末から明治にかけて、江戸文化を志向した文化が盛んになった。理由ははっきりしないが、千住は東北への窓口であり旧幕臣を含む人材が多かった事、物流の拠点・交通の要所として経済的余裕が生じた、江戸文化の再評価(江戸回顧)、世代交代等が考えられるとの事、現在でも祭囃子・富士塚・荒川堤桜などの名残がある。等々大変興味深く、足立の歴史を知ることが出来た。

    

最後に、千葉周作から5代目(?)の方の話、北辰一刀流「玄武館」の現道場主の話などがあり、あっという間の2時間であった。講師3名の講話は、それぞれ個性があり大変面白く、今後もこのような講演が開催されるよう期待する。

注:名望家とは、単に財産と教養を有した名門の資産家というだけでなく、何等かの社会的行為によって、民衆から尊敬や名誉・名望を勝ち得ていた者。

江川 武男 記