2015.02.02
                                          

  2月2日(月)、東京芸術センター天空劇場で開催されました。前半は放送大学副学長 宮本みち子氏による基調講演「子どもの未来を考える 〜子どもの貧困対策大網の策定に関わる事前検討会に関わって〜」と、足立区長 近藤やよい氏による「なぜ足立区は子どもの貧困対策に取り組むのか」の説明がありました。

宮本みち子氏は、家庭の貧困・低学力等で就職が決まらずに卒業した後も居場所がなく児童館に来ている若者がいること。また、基礎学力がついていないためアルバイトさえも出来ない例もあり、貧困や複合困難を抱える子どもや若者に積極的福祉と教育投資の強化が必要であると話されました。足立区長からは、貧困で中卒や高校中退の学力で社会に出ざるを得ない子どもの将来のリスクは如何に大きいかを踏まえて、平成27年度を“子ども貧困対策元年”と位置づけ、貧困の連鎖を断ち切るために区を挙げて対策に取り組むと話されました。

               

後半のパネルディスカッションでは、宮本みち子氏のコーディネートによるパネルディスカッションがあり、パネラーの渡辺由美子氏(特定非営利活動法人キッズドア理事長)からは、貧困層に対する無償学力支援や、貧困の連鎖から抜け出すサポートを行っているという報告がありました。そして、加藤弘樹氏(内閣府政策統括官付参事官・子どもの貧困対策担当)は、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が平成25 年にでき、子どもたちの将来が貧困等の生まれ育った環境に左右されない社会にしていきたい、貧困の連鎖を断ち切るための施策を総合的に推進していきたいと話されました。

近藤やよい足立区長は、さまざまな取組みとして、「6つの新規事業」と「3つの拡充事業」を27年度予算に組み込み、「予防する、連鎖を断つ、救う」をコンセプトにライフステージごとに早期できめ細かな対策をスタートする、と話されました。子どもたちの貧困の状況を考えさせられたシンポジュームでした。  
                                                                                                 (田中桂子 参加者4名)


                          

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シンポジューム「子どもの貧困にどう向き合うか」