2021年1月
                                   「楽学の会」顧問
                                   立教大学 特任准教授 井正


    2020年度から改正された文部科学省の規程の施行に伴い、社会
教育主事課程の新しいカリキュラムがスタートし、「生涯学習支援
論」と「社会教育経営論」が新設されました。
新設科目の担当者として、授業のねらいについて次のように学生に
伝えています。

 「生涯学習支援論」:地域で自立した市民を育むために、住民の社
会参画意欲を喚起するためのファシリテーション、コーディネーシ
ョン等の技法をはじめ、事業企画の力を高めるなど、学習支援に関
する様々な理論や知識・技能を習得する。

「社会教育経営論」:地域の社会教育全体を戦略的に経営する視点
から、地域住民はもとより、NPO や企業等も含め、様々な主体と
連携しての地域課題の解決や、地域活性化支援に関する知識・技術
を習得する


 コロナ禍ということで、昨春からの全ての授業をリアルタイムの双方向オンライン授業として実施しましたが、手探りの連続で、1回1回の授業づくりには膨大な時間を費やしました。時には「教える」ことをしつつも、学習主体である学生の学び合いを学生自身がつくっていく支援に力点を置き、授業を進めました。

「生涯学習支援論」で育もうとしている力量を私自身が獲得し、それを最大限発揮することが求められる教育実践だったのではないかと、今、改めて感じています。加えて、「社会教育経営論」での学びから獲得がめざされる、経営戦略的な考え方を踏まえた授業計画づくりが試された、とも実感しています。
授業では学生の皆さんに、しばしば「学習支援者こそ優れた学習者でありたい」とお話ししています。このことは私自身への言葉でもあります。授業担当者として学び続けることが、私が私でいることにとって、欠かせない営みなのかもしれません。

「楽学の会」は学習支援者の集まりです。皆さんにとっても、学習者として学び続けていくことが求められていると言えます。あだち学習支援ボランティア「楽学の会」が「楽学の会」であり続けるために、今後とも月例会や研修会の充実が大切になることでしょう。今後ともお仲間に入れていただき、ご一緒に学び合っていきたいと思います。


    

新年特別寄稿

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学習支援者こそ優れた学習者でありたい