【講座開催日】2022年9月23日

   9月23日の祝日、お江戸ルほーりーこと堀口茉純さんによる特別講演会「江戸のヒロイン」~歴史をつくった女性たち~は、学びピア講堂に113名の受講者を集め開催されました。

                           

   江戸時代に活躍した女性は名前を知られていても、女性たちがどう社会を動かし、現在の日本社会にどのようにつながっているかは意外に知られていない。また、女性たちの働きがなかったら、歴史は変わっていなかったという出来事もある。また、男尊女卑の江戸時代は女性が表に立つことは難しい時代でもあった。そんな時代の中で実は大きな役割を果たしていた女性に焦点を当て、浮世絵などを使いながら具体的なお話しをして頂いた。
   武家女性では、三代将軍を巡る幕府内の対立に春日局が尽力したという。また、徳川13代将軍正室天璋院と14代将軍正室和宮が嫁姑の確執を捨て、命を賭けて江戸城を無血開城に導き、二人で徳川の幕を引いて時代を変え、明治維新につながる道を開いた。
庶民女性では、八百屋お七は歌舞伎や文楽でよく取り上げられ、浮世絵も有名である。大火の避難先の寺で知り合った寺小姓と恋仲になり、再会したいばかりに自宅に放火をし、火あぶりの刑で江戸庶民の同情をかう。女の恋心と切なさは現代にも通じる思いであろう。

    

日本橋三越本店は三井越後屋呉服店として創業したが、「店先売り」「現銀掛値無し」で繁盛し、今に引き継ぐ。これはひとえに三井高利の母、殊法の才覚であるというが、三井殊法は江戸時代の商才に長けていた女商人であり、庶民女性でもある。
 芸能者では出雲阿国が創り出したかぶき踊りが人々の人気を得て、阿国が男装して踊ったことなどから遊女屋でも取り入れられ、遊女歌舞伎として全国に広まった。男装した遊女などとの掛け合いなどが風紀の乱れと幕府からの取り締まりを受け、以後女性の芸能者は舞台に立つことが禁止された。今でも歌舞伎の舞台に女性は立つことができない。
 遊女では湯女であった勝山が侍風の男装と才気、人柄で人気となり、吉原遊郭でトップスターの太夫に上り詰めた。花魁道中では吉原の伝統を覆し、外八文字で歩いたという。着物の丹前、勝山髷などは勝山が世に広めた文化である。高尾太夫も有名であるが、吉原遊郭は衣装や髪型などファッションの先端を発信する所であり、さまざまな文化を下から上へと伝播させる所でもあった。太夫とは、芸事、教養、文学、人柄、品位など全てにおいて優れ、男性と対等に渡り合う器量をもっていた。

                         

   ほーりーさんは三分野の女性を取り上げながら、世界における今日の日本のジェンダーギャップ指数の低さを示され、江戸時代の方がよほどそのギャップがなかったのではないかと投げかけられました。ジェンダーギャップをなくすことは若い人たちのためにも私たちの課題であると思います。

受講者からは
・とても分かりやすい講座でお話が面白かった。
・たくましく生きる江戸の女性のエピソードを交えながらで楽しかった。
・女性の視点からの説明が新鮮だった。
・江戸の女性が生き生きと暮らしていたというお話に感銘を受け、文化が下から上に伝わるのは日本独自だと知った。など楽しく講演を聞かれた方が多く、とても好評でした。
私は初めてほーりーさんの講座を担当し、やり取りする中でまだ若いのに誠実で勉強家の方だなと感心しました。控室でも公演寸前まで、原稿を繰り返しチェックされておりましたが、気軽に声掛けができる雰囲気の柔らかさがありました。これからもますますほーりーファンが増えることと思います。
                                               (林 令子)


   

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

特別講演会「江戸のヒロイン」~歴史をつくった女性たち~

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