【講座開催日】2024年2月12日

   2月12日(月・祝日)午後2時~3時30分、NPO法人「楽学の会」設立20周年記念特別講演会として、「北野大氏 環境問題を語る」が研修室1にて開催された。
これは「楽学の会」が2003年に東京都よりNPO法人として認可され、その20周年を記念するものである。20周年記念事業としては ①記念誌の発行 ②記念講演会の開催 ③記念祝賀会の開催が3本柱であり、既に記念誌は12月に発行され関係各方面に配布され、記念講演会と祝賀会がこの日に開催された。講堂が工事中で使えず、残念ながら応募者の約半数が落選となった。

                       

 北野大氏は1942年足立区の生まれで現在81歳。足立四中・上野高校を卒業され、千葉大学を合格するも“おふくろ”の意向により、明治大学理工学部に入学し(北野家の様子がうかがわれ微笑ましい)、卒業後に大正製薬に就職するが、学者の道を目指して東京都立大学工学研究科で修士・博士課程を修了し、分析化学の専門家として、現在の化学物質評価研究機構・化学品検査協会を経て、1994年から淑徳短期大学・淑徳大学教授を経て、2006年母校の明治大学理工学部教授となり2013年定年退職されました。その後淑徳大学名誉教授、2017年より秋草学園短期大学学長に就任され、現在は理事長も兼任されている。現在足立区在住ですが、所沢の秋草学園まではエコのため電車で通勤されている。

                       

 最近は環境問題のご講演が多く、今回は「現代の環境問題について」講演された。環境問題の発生過程・公害関連年表・環境基本法など、基本的な事項の説明されたうえで、環境問題の発生による4つの被害として ①健康 ②財産 ③生態系 ④アメニティをあげられた。環境保全の手法としては ①規制的手法と ②金銭経済的手法が紹介された。地球環境問題は一つの国では対処できず、複数の国にまたがり、①先進国の工業化と ②途上国の人口増加が原因となっている。気候変動問題は温暖化ガスの排出の抑制が必要であり、COP28の内容が紹介された。日本の温暖化対策は発電の76%が化石燃料であり、太陽光・風力・水力・地熱などの再生可能エネルギーの利用が必要である。最後に「少欲知足」を提唱された。
 北野先生は弟の北野たけし氏と共に足立区を代表する文化人であり、穏やかでユーモアのあるお人柄があふれた講演で、会場は終始暖かいムードに包まれていた。終了後に祝賀会にも参加されお祝辞をいただいた。

                       

 受講者の言葉
★地球温暖化と一言っても、もの凄い複雑で難しいものだよなーと改めて実感いたしました。物価高やサービス料の上昇も政治がすべてではなくて、世界的な問題と繋がっていて、私自身、理解がまだまだ必要で、一人一人が知識を深めて出来ることをとにかく些細な事でもやっていく他ない事と、生きて行く為の大事な問題なんだと強く思いました。とても興味深くて、たくさんメモさせて頂きました.20代、まだまだできる事はいっぱいあるので、今日の講座も思い出して意識していきます。(20代女性)
★環境保全の手法にデポジット制度(製品価格に貯宅金を上乗せして販売)や汚染者負担の原則が導入されない事には抑制、防止に繋がらないという事を理解。国の政策が転換されることを願う。次の世代によい環境を継承するために欲求を抑える(50代男性)
★〈環境問題〉という大きなテーマを身近な話題や世界的な視野に基づいた内容でとても理解しやすかった。これまで漫然としか考えてなかったが、今後は自分でできることでCO2排出しないよう気を付けるかを意識したい。(60代女性)
★内容盛りだくさんで、聞きごたえがありました。環境問題について色々な視点から触れる事ができ、今日の講義きっかけにニュース等もっと深く理解と考えることが出来る様になると思います。(50代女性)
★ユーモア―を混ぜながら楽しくお話を聞くことが出来ました。環境問題を考えることは必要である。日々の生活で衣・食・住をしっかりと考えましょう。ごみ問題も重要でありますね。(80代女性)
★刺激的な内容で、これから大変なことに成るとあらためて思いました。(70代男性)
★難しい内容のお話を、分かりやすく、楽しく拝聴できた事はとても素晴らしいことだと感じました。“足るを知る”肝に命じます。(60代男性)
                                                       (糸井史郎)



                  北野大講師、当会 高井顧問・崎山顧問、講座開催スタッフで記念撮影

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

特別講演会「北野大氏 環境問題を語る」

好評のうちに終了しました

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