5月3日(祝・金)午後2時~3時40分、生涯学習センター4階講堂において開催された。
講師は東京国立博物館副館長 浅見龍介氏。受講者は200名、運営ボランテイア参加者は9名でした。
4月16日(火)~6月9日(日)東京国立近代美術館で開催されている「法然と極楽浄土」のNHK関連文化講演会でした。講師には法然上人の生涯、人柄、展覧会の作品の紹介、特別展のみどころを解説いただきました。

           

(1)法然上人の生涯:
①長承2年1133年美作国の武士の子として生まれ、1147年比叡山で出家、受戒。
②1175年善導の「観無量寿経疏」を読み口称念仏で救われると説く。この時点で浄土宗の立教開宗となる。念仏には観想念仏(自分で想いイメージすることで簡単でない)と口称念仏があり、念仏すれば救われる、念仏だけでよいと法然上人は説いた。
③この念仏すれば救われる教えは当時の天台宗からは圧力をうけ念仏停止の院宣が下り1207年讃岐の国に流された。
④1211年京都に戻り、建暦2年1212年に京都大谷(知恩院あたり)で没した。


   

(2)法然上人の人柄:
①5000巻以上の経典を3回読む勉強家で戒律を守り、他宗の僧から尊敬されていた、
②平安時代の浄土宗は功徳を積むことを求められ、万人が救済の対象にはならなかった。法然は庶民も救われることを追求し口称念仏を見い出した。しかし延暦寺、興福寺は皇室、貴族の保護を受けており勢力もっていたため念仏の禁止を求めた。そして鎌倉幕府は念仏を禁止した。
③法然は弟子には寛大だった。弟子たちの考え方はさまざまだった。

               

(3)展覧会の作品の紹介:
①法然上人像:ふくよかで肉つきがよく頭のてっぺんが平らで目の下にほくろがある。
②国宝「法然上人絵伝」法然の生涯を伝える伝記絵で口称念仏で救われる場面、亡くなる場面。
③国宝「當麻寺奥院の當麻曼荼羅図」縦横4メートルで蓮糸で綴られた究極の極楽浄土図法然上人座像」。
④国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」念仏する人が臨終近づくと阿弥陀如来が極楽から迎えにくる来迎図、雲にスピード感あり
⑤仏涅槃群像(香川・法然寺蔵)身長280cmの涅槃像と仏像、鬼神、動物(象、ヘビ、猿他)合計82体ある壮大なスケールの立体涅槃群像で今回は釈迦涅槃像、羅漢、八部衆、動物など26体を展示、その他 出展品の紹介と見どころを解説頂いた。

NHK関連文化講演会は毎回好評で、講座参加者に同展の招待券がプレゼントされることもあり大変人気が高い講座でした。                        (福田哲郎)



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NHK関連文化講演会 特別展「法然と極楽浄土」

生涯学習センター講座運営ボランテイア報告

【実施日】2024年5月3日