【講座開催日】令和01年 07/07・07/17・08/04

   7月7日、14日、8月4日(各日曜日)、講師に高梨真行氏をお迎えし、応募者50名(抽選41名)、受講者38名、延べ101名、研修室4において開催された。

                          

 1回目 「武士の軍功と褒賞~感状」 平安時代末期から、鎌倉時代、南北朝内乱期、室町時代、安土桃山時代までの中世における騎射戦術、馬上騎射、弓兵、歩兵の集団戦への展開、騎馬,弓、鉄砲編成 中世武士の軍団編成など合戦状況について解説された。古文書については、これら合戦に伴う大将からの出陣の催促の文書などが解説された。

                             

 2回目 「軍勢の移動~架橋・渡河指示の書状」 国家的な政策として、街道・往還の整備、地方での叛乱に備えて大河川には架橋せず、仮設の橋として「舟橋」を成立した。(中世の舟橋の姿は、舟を並べた舟、網、板で構成されている)河川は中世における領域の境目として認識され、「舟橋」は、敵の侵攻を食い止める河川と自軍の渡河侵攻を補助する橋として戦国大名が仮設、管理を行うこととなった。

            

 3回目 「戦国武将と情報戦―調略の書状」 戦国大名の外交戦略について、中世室町時代以降、複雑化した大小の豪族(大名、小名)たちの利害関係を背景に、互いに政治的および政略的に影響を及ぼす工作、諜報活動が増加した。具体的には、敵方の人材の引き抜き、有事における内応、誘降、謀反、離反などを誘発させる工作活動が主である。など解説された。
 古文書の資料としては、武田信玄と上杉謙信の戦略について掲げられたが、筆跡は対照的で、武田信玄はガッチリした筆跡、上杉謙信は女性的な筆跡のようだ。ここでは、古文書の読み方ではなく、「どのような背景で文書が書かれて、どういう形式をとっているか」との解説であった。

 受講者からも、古文書の一番興味がある武士が書いた軍功、褒賞、指示や移動などが大変楽しく聞くことが出来、一字一字が頭に入って、為になった。
古文書そのものを読み解くだけでなく当時の背景を解説いただき、より理解が深まった。中世古文書にはなかなか接する機会に恵まれませんでしたので貴重な時間であったと思います。など好評を得た講座であった。                         (佐久間 實)


        

あだち区民大学塾講座 講座開催報告

中世古文書講座 ~ 戦(いくさ)と古文書編~

講座開催報告

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