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│楽│学│の│会├┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬┤第│185│号│
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楽学の会メールマガジン7月号をお届けします。
あだち区民大学塾の2023年8月開催講座はお休みです。
今回は5月講座、6月講座の開催報告です。


◇◆受講申込は往復はがきに加え電子メールでの申込みも可能です◇◆
メールアドレス:info@gakugaku.main.jp

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┃も┃く┃じ┃
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●●あだち区民大学塾 2023年5、6月講座開催報告

  ・室町時代 足利将軍と三管領ー斯波・細川・畠山

  ・中世古文書講座 徳川家康関係の文書

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      あだち区民大学塾講座 開催報告(2023年5月開催)
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 ★★★★ 室町時代 足利将軍と三管領ー斯波・細川・畠山
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 5 月 15・22・29 日 (月) の 3 回にわたり研修室1において開催された。
応募者は 51 名、受講者は 44 名。出席者は第1回 39 名・第2回 40 名・
第3回 38 名・合計 117 名であった。第1回と第3回は雨天で欠席者が
多かった。
講師は、國學院大學兼任講師で中世・近世史がご専門の平野明夫氏。

第 1 回は「室町幕府の確立(尊氏①~義量⑤)」。1333 年足利尊氏・新田義貞
が挙兵して、鎌倉幕府が滅亡した。尊氏は 1336 年「建武式目」で幕府の方針を
示し、1338 年征夷大将軍となり室町幕府がスタートした。
講義はまず室町幕府の特徴である管領の役割が説明された。管領は将軍を助け
政務を総轄し、儀式や行事を執り行った。鎌倉時代の執権は実権を握っていたが、
室町時代の管領は将軍の補佐的な役割であった。当初は足利家の補佐役の執事が
そのまま幕府におかれたが、執事・細川頼之は 3 代将軍・義満が元服すると、
将軍の親裁権と補佐役とを分離し、執事を管領に改め、命令系統を将軍→管領→
守護に統一した。管領は室町時代を通じてほぼ斯波・細川・畠山の三氏が務めた。
又、鎌倉時代には公家は京都・武家は鎌倉と別れていたが、室町時代は御所
(公家)も幕府(武家)も京都に置かれた。
系図によると足利氏は清和源氏であるが三管領の斯波・細川・畠山氏もその一族
である。鎌倉幕府を滅ぼした初代・尊氏から 5 代・義量までに室町幕府は確立
した。この間 1336 年尊氏の光明天皇擁立に対抗し、後醍醐天皇は吉野に南朝を
開き南北朝時代となるが、南朝第 4 代の後亀山天皇が北朝 6 代の後小松天皇に
譲位して、1392 年義満の時に南北朝は統一された。

第 2 回は「将軍の専制から混乱へ(義教⑥~義澄⑪)」。4 代・義持は嫡子で
5 代の義量が死亡しても 6 代将軍を指名せず、義持の死後にくじ引きで決定
することになった。義持の死の翌日石清水八幡宮神前で義円(後に義宣・義教)
が選ばれ 6 代・義教が翌年に元服して即位した。義教は訴訟制度・軍事制度の
変更や遣明船の復活などを行った。一方で大量の処罰を行うなど「万民恐怖の世」
と言われた。結局、勢力削減を恐れた守護・赤松満祐に暗殺された。
義教の子の義勝が 7 代となるが翌年死亡し、弟の義成が 8 代・義政となった。
義政の妻は日野富子。義政は管領や有力守護を避け、近習を重用し、将軍権力の
強化を狙うが、側近が離反し政治の混乱と社会不安が増大した。
1467 年応仁の乱が起こる。東軍・細川勝元と西軍・山名宗全が将軍の後継者と
畠山氏と斯波氏の家督争いで対立し、両者が 1473 年に死亡し、1477 年に
10 年にわたる長い騒乱は収まった。9 代は義政の子の義尚が 10 代は甥の義稙
(義材)が後継者になった。管領・細川政元は義稙を廃して 11 代・義澄を擁立
する(明応の政変)が、管領の役割は儀式が中心となり政治的な意味はなくなっ
ていった。応仁の乱以降、幕府の権力は衰え戦国時代となってゆく。

第 3 回は「戦国時代の室町幕府(義晴⑫~義昭⑮)」。12~15 代は 11代・
義澄の子や孫が擁立されたが、15 代・義昭は 12 代義晴の次男で興福寺一乗院の
門跡であった。兄の 13 代・義輝が三好義継に殺害されたが、義昭は織田信長の
後ろ盾を受け、14 代・義栄の死去により、1568 年に征夷大将軍に任ぜられた。
1573 年義昭は浅井・朝倉と結び反信長の挙兵をしたが、反信長勢力は次々に
敗北して室町幕府は滅亡した。しかし、義昭は鞆(広島県福山市)へ移り征夷
大将軍であり続け、本能寺の変の後は秀吉の許しを受け帰洛を果たす。
1592 年秀吉の朝鮮出兵に随行したが、1597 年大阪城で死去し、足利将軍歴代の
菩提寺である等持院に移された。60 歳であった。

受講者の言葉:
・室町時代における不安定な将軍家とその側近である政権を担う三管領、そして
それを支える各守護大名、後継者争い、幕府政権内の権力闘争、そして領国で
着々と勢力を貯えた守護代の軍事力増大による内乱が、応仁の乱へと移り、
戦国大名たちの下剋上が開始され、大変興味深い講義でした。 (糸井史郎)


講座実施報告はこちら↓
http://gakugaku.main.jp/lect/lect01d-230515-muromachia.html

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      あだち区民大学塾講座 開催報告(2023年6月開催)
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 ★★★★ 中世古文書講座~徳川家康関係の文書
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6 月 4 日・11 日・18 日の日曜日に開催されました。講師は高梨真行氏(宮内庁
三の丸尚蔵館 主任研究官・足立区在住)応募者は 38 名、第 1 回 30 名、第2回
32 名、第3回 30 名で延べ 92 名でした。
今回の古文書講座は三河国の小領主から、織豊政権の大大名へ、そして天下統一を
継承して江戸幕府を開き太平の世を築いた徳川家康について、家臣や側近など政権
を支えた者達の文書や自筆書状から歴史的な事績を追い、大名そして天下人として
の家康の実像に迫ります。

第1回・・・大名徳川家の文書 ~徳川家康朱印状
・徳川家康の生涯についての解説がありました。
≪家康の出自≫ 家康は三河国の小領主松平氏の出身
≪今川氏帰属時代≫ 今川義元の人質となり武将へと成長、桶狭間の戦いで今川氏
 から独立した。
≪織田氏との同盟≫ 清州同盟により今川氏と対立、徳川改姓、三河の国持大名と
 なる。
≪三河・遠江の大名≫ 駿河は武田領、遠江は徳川領、三方原・長篠の戦い、三国
 支配の大大名へ
≪豊臣大名徳川氏≫ 本能寺の変後の混乱に乗じ武田領を接収、駿河・遠江・三河、
 甲斐・信濃の五カ国を支配する。秀吉との対立と和睦、小牧・長久手の戦い
≪関東大大名徳川氏≫ 関八州の支配者となる。関ケ原の戦いにより覇権確立
≪将軍そして大御所・徳川家康≫ 征夷大将軍に任官し幕府を開く。
・古文書として徳川家康朱印状(印判状)3例が紹介された。
 大名徳川氏の出す安堵・命令・法令・裁定などに関する決定事項を示した文書

第2回・・・家康家臣・側近の文書 ~年寄奉書、代官連署状から老中奉書
・徳川家康の家臣たちの解説がありました。
≪三河統一・三カ国大名・永禄 9 年頃~≫ 三備の軍制、旗本・馬廻、先手衆、
 東三河衆、西三河衆
≪五ヶ国大名・天正 10 年~≫ 年寄衆・徳川四天王(酒井忠次、本多忠勝、
 榊原康政、井伊直政)
≪江戸移封・天正 18 年~≫ 家臣への知行割による大名化、三河以来の家臣
 +家康の一門衆
≪将軍・大御所時代≫ 本多正信(年寄衆)、伊奈忠次(秀忠の側近)大久保
 長安(家康の側近)
≪各分野における家康のブレーン≫ 天海、崇伝(禅宗)、後藤庄三郎(金座)
 林羅山(儒学者)
・古文書として徳川氏奉行印判状(朱印状)、徳川氏甲州奉行連署状、徳川氏
 奉行連署印判状(朽木古文書の内)、徳川氏年寄連署奉書(相良家文書の内)の
 4例が紹介されました。

第3回・・・家康の自筆書状 ~関ケ原の戦い、家康宛の私信
・古文書における「書状」の評価についての解説がありました。
≪書状の基礎≫ 手紙の事を指し、私信のスタイルをとりながらも、差出者が公的
 身分を有する場合は、公文書に準じる。月日のみで年号は付けない。
 公文書としての機能を有さない。
≪書状の構造≫ 懸紙(本紙を包む紙)・本紙(ほんし)・重紙(じゅうし)・
 礼紙(らいし)
≪自筆と右筆≫ 大名クラスの武家においては書役(右筆)を抱えている場合が
 一般的である。通常は右筆書、重要な内容や一族、親族などに出す場合は自筆
・古文書として徳川家康書状(2例)、徳川家康自筆書状の3例が紹介されました。

≪受講者のご意見≫
・実際の古文書を「翻刻」「書き下文」「語句・人物」と丁寧でわかりやすく、
 熱意にあふれ、生き生きした講座で興味深くお話を伺いました。
 有難うございました。
・時代背景や時代の流れの中で各古文書の持つ意味、意義がよくわかりました。
 このような取り上げ方で今後も古文書講座を開催してください。
・中世古文書はなかなか学習する機会がないのと、高梨先生の解説がとても
 詳しく勉強になります。             (篠原英也)


講座実施報告はこちら↓
http://gakugaku.main.jp/lect/lect01d-230604-komonjo.tokugawa.html


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  問合せ先:楽学の会事務局 福田 哲郎
          E-Mail:tefukuda2002@ybb.ne.jp

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